スラックスのウエスト、ジャストサイズで買ったはずなのに久しぶりに着てみたら入らない…とショックを受ける方は案外多くいらっしゃいます。

逆に、病気療養などを経験して体重が減り、今までのスラックスが全部ぶかぶかになってしまった…という方もいらっしゃいます。

ジャストサイズで着られなくなったスラックスはどうすればいいのでしょうか?

スラックスのウエスト直しは何cmまでなら可能なのか?料金は?お直しにかかる期間は?今回はそんな疑問にお答えしていきたいと思います。

スラックスのウエスト直しって可能なの?

スラックスのウエスト直しは可能なものが多い

結論として、スラックスのウエスト直しは可能なものが多いです。というのも、一般的なメンズスーツはウエストサイズが変わることを想定して作られているため、後ろ中心に多めの縫い代が残されているのです。それだけ、「太ってスラックスが入らなくなった!」という状況に陥る人はよくいるということなので、安心してお直しに出してくださいね。

逆に、痩せてぶかぶかになってしまった場合も、後ろ中心から詰めることでジャストサイズで履けるようになります。ぶかぶかのスラックスをベルトでぎゅっと締めると全体にしわが寄ってしまって、かっこよく履きこなせませんよね。思い切ってウエストを調整し、ジャストサイズでかっこよく履きこなしましょう!

スラックスのウエスト直し、簡単なものと難しいもの

スラックスのウエスト直しをするときにまず見るべき場所は後ろ中心です。後ろ中心で確認してほしいことが2点あります。

ウエストベルトの後ろ中心に縫い目があるか?

後ろ中心に縫い目があるものは、比較的簡単にお直しが可能です。

しかし、パンツのデザインによってはウエストベルトの後ろ中心に縫い目がないものがあります。この場合は後ろ中心からウエストの出し・詰めができないため事は簡単に運びません。

不可能だ、とは言い切れませんが技術的にも時間的にもかなり大変な加工になるため料金が跳ね上がることは否定できず、「どうしても」という方は個別にご相談いただければと思います。

スラックスの後ろ中心を内側から見て、どれくらい布が残っているか?

スラックスを内側から見て、縫い代が多めに残されているかどうかも確認しておきましょう。まれに後ろ中心の縫い代がほとんど残されていないものがあるので注意が必要です。

スラックスのウエスト直し、何cmまで調節可能?

後ろ中心のみで調節する場合

後ろ中心に縫い目があるスラックスなら、ウエストを詰めるのは可能です。そして縫い代が多めに残されていれば、その分だけウエストを広げる(出す)ことも可能となります。一般的には後ろ中心だけで広げる(出す)場合は、5cm程度までが目安と考えてください。これは、後ろ中心に残されている布が片側3.5cm(全体で7cm)ほどある場合です。

広げる(出す)場合に注意することが2つあります。1つ目は、生地の種類によっては元の針跡が残ることです。2つ目は、パンツの色褪せや変色によって出した部分の色が少し違って見える場合があることです。お直しに出す場合は、この2つを頭に置いたうえで依頼しましょう。

逆にウエストを詰めたい場合も、目安は5cm程度までになります。詰めるのは何cmでも大丈夫そうですが、詰めすぎるとポケット位置がおかしくなったり、スラックス全体のデザインが崩れる可能性がありますので、おすすめはできません。

後ろ中心だけでは調節できない場合

後ろ中心に布が7cmも余っていない!という場合、もしくは「5cmしか出せないのか…せめてあと1cm…」という場合は「三方出し、三方詰め」という方法があります。

後ろ中心以外にも、左右の脇の縫い目から均等に出す、詰めるという方法ですね。

この方法であればあと1cm~スラックスのデザインによって数cm出せる場合があります。(タックが入っているかどうか?ダーツを少し狭くしてもいいか?などあくまでもデザインによります)

詰めるのはともかく、ウエストを広げる(出す)場合にはウエスト部分に別布を足す必要が出てきますので、スーツを購入した時ついてくる予備の布を持ち込んでいただくと安心です。

「どうせベルトで隠れるから、何の布でもいいよ」というお客様もいらっしゃるため、その場合はなるべく色味の近い布を継ぎ足しております。過去最大10cm!の三方出しをしたスタッフもいるとのことですから、お気に入りのスラックスでしたら諦めずにどのくらい出せそうかお尋ねくださいね。

スラックスのウエスト直しにかかる料金は?

スラックスのウエスト直しにいくらかかるか、料金も気になるところですよね。これは当然お直しを依頼する店によって金額設定が違うと思いますで、あくまで参考価格としてご覧ください。

後ろ中心のみで調節可能なスラックスの場合

後ろ中心のみで調節可能なパンツの場合、基本料金は2000円程度のところが多いです。注意が必要なのは、デザインです。特にオーダースーツを作られた場合に多いのですが、後ろ中心にスリットが入っていると金額がプラスされたり、パンツのベルトループを移動させる必要があると追加で料金がかかったりします。パンツのデザインによって数百円程度の追加料金がかかることも想定しておきましょう。

後ろ中心だけでは調節できないスラックスの場合

後ろ中心だけでは調節できず、「三方出し・三方詰め」を行う場合は5000円程度を目安にしてください。三方出し・三方詰めをすると、ウエストの調節だけではパンツのデザインが崩れる場合があります。「裾にかけて全体的に細くして」などの追加依頼がある場合はまた料金が変わってきます。

金額について、「5000円もするなら、新しいスラックス買った方が安い」と言われることもたまにあります。ただ、ジャケットとセットアップで購入されたスーツの場合、「ジャケットはまだ着られるからもったいない」とお直しに出される方が多いので、その点も考慮に入れて決めましょう。

スラックスのウエスト直しにかかる期間は?

これもお直しに出すお店によってまちまちですし、同じ店でも込み具合によって多少の差が出ると思いますが、おおむね1週間~10日程度を見込んでおいた方がいいでしょう。

「明日結婚式だから、今日中になんとかして!」と言われるお客様もたまにいらっしゃいますが…それは残念ながらお断りせざるを得ないことが多いです。せめて大切な予定の1週間前には一度履いてみて、サイズを確認しておくことをお勧めします。

礼服についてはお通夜・お葬式などで急に必要な場合がありますので、時々履いて確認しておくと、いざという時慌てなくてすみますよ。

まとめ

ここまで、スラックスのウエスト直しについて具体的にどのくらい調節できるか、いくらかかるか、どのくらいの期間が必要かについてお伝えしてきました。

今回お伝えしたのはあくまで紳士用のスラックスで、婦人用のパンツ、スカートのウエスト直しはまた料金が変わってきますのでご注意ください。

サイズが合わないパンツはなんとなくクローゼットにしまったまま、気づけば出番が少なくなっているもの。ウエストをジャストサイズに整えて、またカッコよく履きこなしてくださいね!

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