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どんなに大切に着ているスーツでも、ちょっとした不注意で何かに引っかけてしまったり、お気に入りでよく着ているからこそ擦れてきたりして、破れることってありますよね。
スーツは、ジャケットとセットアップで購入される方も多いため、パンツの一部が破れたからといって簡単に捨てるわけにもいきません。
まずはスーツが破れる原因を知り、可能な範囲で破れないように予防しておきましょう。
それでも破れてしまった時は、自分で簡易的に補修するか、お直しのお店に相談されることをお勧めします。その際かかる料金についても、目安をお伝えします。
ありがちなスーツの補修とその原因について
パンツの股下の擦り切れ
スーツのパンツで多いのは、股下部分がすれて生地が薄くなり、やがて破れるというものです。原因として考えられるのは、
・営業や通勤でよく歩く
・スーツで自転車に乗る
・サイズがきつめのパンツを着用している
などが考えられます。このままの状態では履き続けられないので、補修が必要です。
もともとのスーツの値段や、スーツに対する思い入れで補修にかけられる金額が違うと思いますので、自分で補修する方法と、洋服お直しの店に出す場合の金額の目安について、後ほど解説します。
縫い目のほつれ
何かに引っかけて1か所でも糸が切れてしまうと、だんだん糸がほどけてきて広がることはよくあります。
縫い目がほつれているだけの場合は、自分で補修するのもそんなに難しくありません。
ほつれている部分を裏返してみて、ミシンで重ね縫いするだけで済む場合もありますのでまずは確認して、ミシンがある方は自分で補修してもいいかもしれませんね。
ただ糸がほつれているだけなのか、布まで破れてしまっているのかはよく確認しましょう。
こちらの写真のパンツは、縫い目がほつれているうえに布が破れています。
この場合は布の強度が落ちていますので、裏から補強用の芯を貼ってミシンでたたきつけて補修します。
このくらい破れも目立たなくなり、強度も保てるようになります。ほつれているだけでなく、布が破れている場合は、洋服お直しのお店に相談したほうが安心です。
パンツの裾のすり切れ
この問題は、ちょっと長すぎるパンツを履いている場合によく起こります。パンツの裾上げをして、裾が地面に付かない最適な長さで履くようにしましょう。
すでにすり切れてしまったパンツは、裏から芯をはって補強するなどし、裏側の見えないところへ隠すように裾上げしてもらうといいですね。
この場合、現状から5㎜~1cm程度はパンツ丈が短くなります。
【必見】傷む前の予防策
股下のすり切れを予防する方法
股下がよくすり切れる!そのたびにお直し代がかかる!という方は予防用にあらかじめ布を取り付けておくという方法があります。
意外と知らない方も多いのですが、股下に「シック」と呼ばれる布を縫い付けておくのです。
まずはスーツを購入するときに「シックをつけてください」とお願いしてみましょう。
すでに購入済みのスーツに、シックだけを後付けすることも可能です。洋服お直しの店で聞いてみましょう。
金額はお店によって違うとは思いますが、目安は税抜き1500円~となります。何度もお直しに出すよりは、予防しておいた方がけっきょくは安上がりかもしれません。
パンツの裾のすり切れを予防する方法
パンツの裾のすり切れを予防するには、以下のような方法があります。
・裾がせめて床上1cmになるよう裾上げする
・裾が地面につかないよう、かかとの高い靴を履く
・ビジネス用のスーツには靴ずれを付けておく
紳士用のビジネススーツは、もともと靴ずれがついているものも多いです。裾を折り返してみた時、かかと側についている細い布は、裾のすりきれを予防するためのものです。
確認して、もしついていなければお直しの店で靴ずれを縫いつけることもできます。スーツ購入時についている予備の布を持参しましょう。
すり切れてしまったら?まずやること
股下のすり切れを自分で補修する
一番金額を抑えてできる方法が、自分で補修することです。
手芸店で売られている「アイロン接着補修布」と、アイロンがあれば比較的簡単にふさぐことができます。
黒、紺、グレーなどのよくある色でしたら、裏側からアイロンで補修布を張り付けるだけでもかなり目立たなくなるでしょう。
注意点が3つあります。
・スーツの色と補修布の色が違う場合は、悪目立ちしてしまう心配がある
・アイロンで接着した布は、再びアイロンをかけたとき接着剤が解ける心配がある
・アイロン接着布で補修したはずのパンツを、お直しのお店に出す方も多い
この注意点を頭に入れたうえで、アイロン接着補修布を使えば、金額的には200~300円くらいで補修できます。
股下のすり切れをお直しのお店に出す
洋服お直しの店でミシン補修する場合、すり切れた部分に裏側から共布を当て、ふさぐようにミシンでたたきつけます。スーツを購入した時に付いてくる予備の布を持参すれば、色味も生地の質感も同じなので、かなり違和感を抑えることができます。
予備の布を無くしてしまった場合、穴が小さければ裾の裏側から共布を取ったり、店にある色味の近い布を当てたりして補修することになります。(こんな時のため、お店にはスーツの切れ端などがストックしてあります)
参考までに、先ほどの「アイロン接着布での補修に失敗し持ち込まれたパンツ」をミシン補修した後の写真がこちらです。
注意点として、スーツの色が特殊な場合はミシン糸の色が合いにくいという心配があります。
お店に出す時点で使う予定のミシン糸を見せてもらうと安心です。(正直に言うと、店の方でもお客様と合意が取れていると安心です)
お直しの店に出した場合の金額の目安
・股下の片側のみ擦り切れている場合は税抜き2500円~
・左右とも擦り切れている場合は税抜き4000円~
すり切れている広さや、縫い目にかかっているかどうかなどで金額が変わってきますので、店頭でよく聞いて確認してください。
まとめ
今回は、スーツの補修依頼の中でも特にご依頼の多い、
・股下のすりきれ
・縫い目のほつれと破れ
・裾のすり切れ
これらの補修と予防についてお伝えしてきました。
これ以外にも、タバコの火で穴が開いた、虫に食われて穴が開いた、ポケット口が破れたなど、さまざまな原因で修理のご依頼があります。
穴あきや虫食いでお困りの方は、以下の記事に詳しく書いておりますので、ご参照ください。
【スーツに穴が開いた!】補修方法と金額の目安 – リルーチェ|靴・鞄の修理・クリーニング、衣類のお直しを宅配で♪ (r-luce.com)
「これ、補修できるかな?」と思われたら、下記よりR.Luce(リルーチェ)までお気軽にどうぞ。