目次
子どもの成長を祝う行事の中でも特別なのが「お宮参り」と「七五三」ではないでしょうか?
赤ちゃんには祝着(産着)を着せて、両親揃って、あるいは親戚ご一同様でお宮参りにでかけるご家庭も多いことでしょう。
しかし子どもの成長は早いもの。
あっという間に3歳、5歳、7歳と成長して「七五三」のお祝いを迎えます。
「お祝い事だから」ということで親戚から祝着をいただくこともあると思いますが「1回しか着ていないのに、お下がりする親戚もいない・・・」という状況だと、いずれタンスの肥やしになってしまいます。
こうなると、お祝いだからと購入したり、いただいたりした着物がもったいないですよね。
お下がりする相手がいない、でも大切な思い出の着物だから捨てるのももったいない。
そんなときは思い切ってリメイクしてみませんか?
お祝いの着物をリメイクするメリット
そのまま取っておいても問題ない子ども用の着物をわざわざリメイクするメリットは、いくつかあります。
- お祝いで使う着物は華やかで美しい柄のものが多いので、ポーチや巾着などの小物にリメイクすると見栄えがする
- お祝いに着物を贈ってくださった方への返礼品とするのも「この着物が入らなくなるほど立派に成長しました」という報告になり、喜ばれる
- 日常で使いやすい小物にリメイクしておくと目にする機会も増え、見るたび懐かしい気持ちが甦る
- いくつかの小物にリメイクすれば、みんなでシェアできる
赤ちゃんが生まれて嬉しかったときの気持ち、成長してつつがなく七五三の行事を迎えられた喜び、お祝いの気持ちに込められた想いや幸せを分け合えるというのは、他にはない特別なプレゼントになるのではないでしょうか?
子ども用の着物をリメイクするのにおすすめの小物
赤ちゃんにお宮参りで着せた祝着(これを産着と呼ぶところもあります)や、七五三のお宮参りで着せた着物は、小物へのリメイクがオススメです。
大人用の着物だと日傘や大き目のトートバッグへリメイクすることも可能ですが、やはり子ども用の着物は、大人用と比べるとどうしても再利用できる面積が狭くなります。
しかしその狭い面積の中に、活かすとかわいい華やかな柄がぎっしり詰まっているため、小物にすると映えるのです。
- ペンケース
- 化粧ポーチ
- きんちゃく袋
- 通帳・お薬手帳入れ
- 印鑑ケース
- 小銭入れ
これらのように、普段使いしやすくて、ちょっと人に会ったとき会話のきっかけにもなってくれるようなものにリメイクしておくと、シェアした人も喜んでくれることでしょう。
上の写真は、当店で実際に赤ちゃんの祝着(産着)をリメイクされたお客様の写真になります。
巾着1つとポーチ3つ、印鑑ケース4つのご依頼でした。
どれも華やかな柄で、シェアした人たちも喜んでくれたとのメッセージをいただき、私たちスタッフもほっこり嬉しい気持ちを分けていただきました。
着物をリメイクするのに必要な道具
ここまでを読んで、子どもの着物を自分でリメイクしてみたい、と考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そのような方に向けて、着物をリメイクする際、特に必要となる道具をご紹介したいと思います。
リッパー・糸切ばさみ
着物リメイクは、新しい布で作り出すのとは違ってまず「ほどく」作業から始まります。
リッパーか糸切ばさみ、どちらか片方あれば大丈夫ですが、この2つは真っ先に必要となるため、欠かせない道具と言えるでしょう。
カッターやハサミで代用することも可能ですが、ハサミは先端部分が鋭く尖っていて、しっかり切れるものでなければ、かなり使いづらく感じると思います。
代用するならカッターの方がオススメですが、糸と一緒に生地まで切ってしまわないように気を付けてください。
アイロン
着物は素材によって、また保管していた年月の長さによって折りじわ・たたみじわがなかなかとれないことがあります。
しわをキレイに伸ばし、シミや汚れを確認してから裁断するためにもアイロンは不可欠な道具です。
ポーチやバッグを作るときは、生地にハリを持たせるため接着芯をはりますので、ここでもアイロンが必須となります。
可能であれば、しわが伸ばしやすいように「スチーム機能があるもの」「なるべく重いもの」が理想的です。
プロは業務用アイロンと共に、吸い込みの効く業務用のアイロン台も使ってしっかりしわを伸ばしますが、それでも納得いくまで折じわがとれないことも多々あります・・・。
針・糸
巾着、トートバッグ、ポーチ、ペンケースなどは手縫いでも十分作ることができます。
小学生のころ、家庭科の授業で作った方も多いのではないでしょうか?
がま口で作る印鑑ケースだと縫うところはなく、ボンドとペンチで仕上がります。(当店では補強・ずれ防止のために縫っております)
ミシン
ミシンがあれば手縫いよりも素早く、キレイに仕上がります。
リメイク小物づくりがもっと楽しくなるかもしれないので「あるといい」と言える道具の1つです。
ただ「思い出の着物にゆっくり時間をかけて向き合う時間も楽しい」という方もいらっしゃることでしょう。
そのような方には針と糸さえあれば十分なので、ゆっくりリメイクを楽しんでみてくださいね。
自分で着物をリメイクするときの手順
シミや汚れの確認
お宮参りで使った祝着、七五三のお参りで使った着物は子どもならではの汚れやシミが付着していることがあります。
赤ちゃん用なら襟周りにスタイを着けていたかどうか、お天気が雨模様でなかったかで汚れ具合も違ってきます。
首周りのシミ、すそに泥はねなどがないかどうか、リメイク前にチェックしましょう。
クリーニングするかどうかを決定する
着物の汚れや臭いが気になったら、クリーニングが必要かどうか考えてみましょう。
まだ着る予定の着物ならば、着物クリーニング専門店に出す必要もあるでしょうが「もう着ない」「多少縮んでも構わない」というリメイク用の着物はホームクリーニングでもいいかもしれません。
着物というと正絹を思い浮かべる方も多いでしょうが、子ども用なら丸洗いできる綿やポリエステル素材の着物も多くあります。
洗濯表示や素材を確認し、ホームクリーニングが心配な人はクリーニング店に相談してくてみてください。
着物リメイクで作りたいものを決める
クリーニングが終わったら、思い出の着物で何を作りたいかを決めましょう。
巾着、ポーチ、ペンケースなど、ネットや本を参考にしながら、何をいくつ作りたいかを決めます。
透ける紙で型紙を用意する
作りたいものがいくつか決まったら、ハトロン紙で型紙を用意するのをおススメします。
ハトロン紙は手芸店で手に入りますが、小物しか作らないのであれば100円ショップに売られているトレーシングペーパーでも十分代用できます。
透ける紙で型紙を作っておけば、着物のどの部分の柄を活かすか決めるとき、見やすくて大変便利ですよ。
ポーチや巾着なら型紙がなくても、直接布に裁断線を書き込む方法もあります。
ただ、1枚の着物から多くの小物を作りたい場合は、すべてのパーツが取れるかどうか確認するためにも型紙があったほうがいいでしょう。
着物をほどく
着物の柄を全体的に見て、いい柄を選んでパーツを裁断するためには、着物をほどいて広げたほうがやりやすいです。
また、ほどいてからアイロンがけをしたほうが生地のしわを伸ばしやすいという利点もあります。
ただ、着物をほどくのにも時間がかかりますので、パーツが小さくてほどかなくても裁断できるようなら、この限りではありません。
型紙を配置し、それより一回り大きく裁断してからアイロンをかけ、もう一度型紙を置いて裁断するという手順でも時間を短縮できていいのではないかと思います。
アイロンがけ
ほどいた着物を広げてアイロンでしわをのばします。
注意点として、アイロンで変色してしまう生地や、アイロンのスチームで縮んでしまう生地もありますので、まずは使わない部分で試しアイロンをするのがおすすめです。
裁断
ハトロン紙で作った型紙を配置したら、いよいよ生地を裁断します。
裁断は失敗が許されないので、一番緊張する瞬間です!
当店では型紙のパーツを一度全て配置してみて、希望する場所で全て裁断できるかどうか、裁断予定の場所に目立つシミや汚れがないか、改めて確認します。
LINEやメールでお打合せをするお客様には、写真をお送りして柄の確認もしていただいております。
縫製
糸、ファスナー、がま口の金具などを含め、全てのパーツが揃ったら、下準備は完了!ようやく縫製にとりかかれます。
着物リメイク小物が出来上がっていく時間を楽しんでくださいね。
着物リメイクをプロに依頼するなら
ここまでは、自分で着物をリメイクしたい方に向けて、必要な道具や下準備についてお伝えしてきました。
しかし、1つしかない祝着で失敗したくないとか、リメイクする時間がないといった理由でプロに任せたい方もいらっしゃることでしょう。
そういった方は以前に書いた記事を参考にしてください。
福岡で着物リメイクを依頼するなら?~今の暮らしに活かすご提案~
こちらの記事では着物リメイクを依頼する手順や、リメイクにかかる期間、金額の目安などが書かれています。
実際にR.Luceで加工してきた着物リメイクの実例も多く載せていますので、参考にしていただければ幸いです。
R.Luceは全国から宅配でのご依頼もお受けしております。
LINE公式アカウント、もしくはお問合せフォームよりどうぞお気軽にお問合せください。